令制国

概要

 令制国とは、律令制に基づいて設置された地方行政区分である。
 地方の名称を呼ぶにあたっては、飛鳥時代から明治時代の廃藩置県まで、この令制国の名称が用いられてきた。


一覧

五畿七道令制国読み州名現在の
都道府県
備考
畿内山城国やましろ山州、城州、雍州京都府
大和国やまと和州奈良県
河内国かわち河州大阪府
和泉国いずみ泉州大阪府716年(霊亀2年)に河内国より分立するが、740年(天平12年)に河内国に併合。757年(平宝字元年)に再分立。
摂津国せっつ摂州大阪府
東海道伊賀国いが伊州三重県
伊勢国いせ勢州三重県
志摩国しま志州三重県8世紀初めまでに伊勢国より分立
尾張国おわり尾州愛知県
三河国みかわ三州、参州愛知県
遠江国とおとうみ遠州静岡県
駿河国するが駿州静岡県
伊豆国いず豆州静岡県680年(天武天皇9年)に駿河国より分立
甲斐国かい甲州
相模国さがみ相州神奈川県
武蔵国むさし武州東京都、埼玉県、神奈川県771年(宝亀2年)に東山道から東海道に変更
安房国あわ房州、安州千葉県718年(養老2年)に上総国より分立するが、741年(天平13年)に上総国に併合され、757年(平宝字元年)に再分立
上総国かずさ総州千葉県
下総国しもふさ総州千葉県、茨城県、埼玉県、東京都
常陸国ひたち常州茨城県
東山道近江国おうみ江州滋賀県
美濃国みの濃州岐阜県
飛騨国ひだ飛州岐阜県
信濃国しなの信州長野県721年(養老5年)に諏方国が信濃国より分立するが、731年(天平3年)に再統合
上野国こうずけ上州群馬県
下野国しもつけ野州栃木県
陸奥国むつ奥州/陸州福島県、宮城県、青森県陸奥国は7世紀に常陸国より分立。
718年(養老2年)に石背国・石城国が分立するが、数年後再統合される。
また、1869年(明治2年)には岩代国・磐城国・陸前国・陸中国・陸奥国に分割。
出羽国でわ羽州秋田県、山形県712年(和銅5年)に越後国から分立し、同年に陸奥国の最上・置賜両郡を出羽国に編入。
1869年(明治2年)に羽前国・羽後国に分割
北陸道若狭国わかさ若州福井県
越前国えちぜん越州福井県
加賀国かが加州石川県823年(弘仁14年)に越前国より分立
能登国のと能州石川県718年(養老2年)に越前国より分立するが、741年(天平13年)に越中国に併合、その後757年(平宝字元年))に再分立
越中国えっちゅう越州富山県
越後国えちご越州新潟県
佐渡国さど佐州、渡州新潟県743年(天平15年)に越後国に併合されるが、752年(天平勝宝4年)に再分立
山陰道丹波国たんば丹州京都府、大阪府、兵庫県
丹後国たんご丹州京都府713年(和銅6年)に丹波国より分立
但馬国たじま但州兵庫県
因幡国いなば因州鳥取県
伯耆国ほうき伯州鳥取県
出雲国いずも雲州島根県
石見国いわみ石州島根県
隠岐国おき隠州島根県
山陽道播磨国はりま播州兵庫県
美作国みまさか作州岡山県713年(和銅6年)に備前国より分立
備前国びぜん備州岡山県、兵庫県、香川県
備中国びっちゅう備州岡山県
備後国びんご備州広島県
安芸国あき芸州広島県
周防国すおう防州山口県
長門国ながと長州山口県
南海道紀伊国きい紀州和歌山県
淡路国あわじ淡州兵庫県
阿波国あわ阿州徳島県
讃岐国さぬき讃州香川県
伊予国いよ予州愛媛県
土佐国とさ土州高知県
西海道筑前国ちくぜん筑州福岡県
筑後国ちくご筑州福岡県
豊前国ぶぜん豊州福岡県、大分県
豊後国ぶんご豊州大分県
肥前国ひぜん肥州佐賀県、長崎県
肥後国ひご肥州熊本県
日向国ひゅうが日州、向州宮崎県
大隅国おおすみ隅州鹿児島県713年(和銅6年)に日向国より分立。多禰国が702(大宝2年)年に日向国より分立するが、824年(天長元年)に大隅国に併合
薩摩国さつま薩州鹿児島県702年(大宝2年)に日向国より分立
壱岐国いき壱州長崎県
対馬国つしま対州長崎県

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